土取利行 坂本龍一 ディスアポイントメント−ハテルマ

ディスアポイントメント - ハテルマ

ディスアポイントメント - ハテルマ

1976年にコジマ録音で500枚プレスされただけという、幻の1枚。土取利行ファンの私は、ずいぶん探したが、レコード店の店頭で見かけたことすらなかった。
1曲目、プリペアード・ピアノとドラムのデュオ。プリペアード・ピアノは現代音楽的というかフリージャズ的というか。音色からすると、むしろアフリカっぽく演奏してくれると、土取さんのドラムとの相性がよかったかもしれない。2曲目以降は、シンセサイザーも出てくるが、音数が少なくなり、あっけなく終わる感じ。
ライナーが資料として貴重。土取さんは坂本龍一を介してピーター・ブルックの舞台音楽を手がけるようになったとか、そもそも「ハテルマ」って波照間島のことだったんだとか、いろいろ分かった。土取さんのドラムを満喫するならむしろこちらがオススメ。土取さんのドラムの個性は、「ドラム」的な、洗練された部分と「太鼓」的な、土着的な部分とのバランスがちょうどよいところにあると思っている。テクニック的にも超絶だが、聴いていて心地よいのは、そのバランスのところにあると思う。