漂流教室

この前の日曜日、国立のマンガ喫茶に行って、楳図かずおの「漂流教室」を読んできた。
漂流教室」は、連載当時、何かのきっかけで1話分だけ読んだ記憶があった。地下への階段を下りていくと地下鉄が走っていて、駅名に「麹町」と書いてある。その当時、有楽町線は開通していなかったから、麹町という駅はなかった。実在しない地下鉄が東京の地下を走っている様な感じがして、ひどく恐ろしかった。実際には、近未来的な時間の設定があるので、マンガの上でも、実在しない地下鉄を見た、ということではないのだが、当時小学生の私にとっては、そのように感じられて、恐ろしかったのだ。
最近になって、ふと、このことを思い出した。それで、そのシーンをもう一度見てみようと思い、マンガ喫茶へ向かったのだ。
前後の脈略が全く分からないので、とりあえず最初から走り読みをして探していった。そうしたら、だんだん、走り読みが斜め読みくらいになり、しっかり作品にはまりこんでしまった。つまりは面白い、ということだが、それだけではすまされないパワーが漲っているのだ。
探していたシーンは、作品の後半に見つかった。確かにこのシーンも恐いのだが、それまでにおっそろしいシーンをこれでもか!というくらいに見続けてきたので、「麹町」の駅名看板はこんなに小さかったのか、と感じたりして少々あっけなかった。