庄野潤三『せきれい』

庄野潤三『せきれい』(文春文庫)読了。98年刊行の単行本の文庫化。
庄野さんの親友、小沼丹の訃報に接するところが出てくる。素っ気ないほどに簡潔に書く。
しかしその後、馴染みの店で小沼の追悼の会を開く。小沼の随筆を読み返す。毎日のハーモニカでは、最後に『カプリ島』を吹く。小沼が好きだった曲。仏壇代わりのピアノの上に小沼の写真を飾る。それを読み進めるうちに、庄野さんの小沼に対する思いの深さが伝わってくる。