内田百輭大人買い

今、内田百輭旺文社文庫のやつを、ずっと読んでいる。今読んでいるのは『無弦琴』で、ひたすら頭がかゆくなる話(掻痒記)とかがひどく面白い。
内田百輭は、ちくま文庫のを数冊買っていて、満足していたのだが、古本屋で、旺文社文庫版の百鬼園随筆正続(カバーなしで2冊¥300)を買って、旧仮名遣いの味わいに目覚めたのだった。
それで、旺文社文庫のがほしいなあ、と思うようになったのだが、古本屋の相場が1冊¥1,000前後であるようなので、まあボチボチ買っていこう、と思っていた。
ところが、この間のゴールデンウイーク、近所のブックオフ的な品揃えの大きな古本屋に行ったら、内田百輭旺文社文庫がダーンと30冊くらい並んでいた。4、5冊抜けているが、ほぼ揃いである。値段は、全て定価のまま。上記相場の1/2〜1/3である。
しばらく、本棚を見つめたまま、うーんとうなっていた。私に古本買いの経験がもっとあれば、間髪入れず鷲掴みにするのだろうが、あまりにラッキーなことがあると、かえってボーッとしてしまう、ということってあるじゃあないですか。
でもまあ結局、文庫本30冊をレジに山積みにして、一気に買ってしまった。総額¥12,000位か。何か大人買いしちゃったよなあ、と思って、くすぐったい気もした。
今、うちの本棚にダーンと横並びになっている。適当な順番で読んでいるが、どれも面白い。1年くらいかけてボツボツ読んでいこうと思っている。